ネット営業の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

ソーシャルゲーム(オンラインゲーム) の問題点

契約トラブルを無くして顧客満足度の向上を

 

インターネットの高速回線やスマートフォンの普及によって、ネットワークを介したコミュニケーション機能を有するオンラインゲームの利用者が増加しました。
中でもソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用者を対象としたオンラインゲームはソーシャルゲームと呼ばれ、学生から社会人までの幅広い層が利用するようになっています。

そのような環境でソーシャルゲームの運営会社は急成長し、新しいゲーム市場を形成しました。
しかし、課金やユーザー対応などで多くの問題が生じています。

その中で、2012年5月に消費者庁がコンプリートガチャ(コンプガチャ)と呼ばれるソーシャルゲームの販売手法が景品表示法に違反する疑いがあるとの判断を示し、直後にソーシャルゲーム運営会社の株価が暴落するという現象が起きて、この問題が大きく報じられました。

ソーシャルゲームでは、ガチャと呼ばれるカードやアイテムの「くじ引き」システムがあり、これを課金制にすることで運営会社は大きな利益を出しています。
対価を支払ってカードを購入するガチャは現状では規制の対象ではありませんが、コンプリートガチャ(コンプガチャ)と呼ばれる複数の特定のカードをそろえることを条件としてレアカードを配布する手法は、利用者の射幸心を煽って課金をさせるものとして不適切と判断されました。

消費者庁は2012年5月18日に「カード合わせに関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表 及び 景品表示法の運用基準の改正に関するパブリックコメントについて」というガイドラインを示し、コンプガチャについては違法との解釈を明示しました。

このガイドラインでは、コンプガチャが同法の禁止する「絵あわせ」に該当するという見解を示しました。
景品表示法の禁止する絵あわせとは、ある種の景品のカードを揃えれば貴重なカードが当たるとして、消費者の射幸心を煽って販売する手法のことで、過去にはビックリマンチョコの景品シールで問題となり、当時の公正取引委員会が出現率の指導を行っています。

この流れを受けて、DeNAとグリーを含むソーシャルゲームのプラットフォームを提供する6社がコンプガチャを5月末までに廃止するとの声明を出しました。

このガイドラインの公表時では、コンプガチャが絵あわせ(二以上の種類の文字、絵、符票のうち、異なる種類の符票の特定の組み合わせを提示する方法)に該当することだけを問題視していますが、ソーシャルゲームには実際にはもっと多くの問題が存在します。

その問題をいくつか例示すると、(1)無料という広告なのにゲームを進行するには課金が必要となることが多い、(2)ガチャで射幸心を煽られて多額の課金をしてしまう、(3)ガチャの出現率が明らかでない、(4)レアアイテムをめぐる換金性(リアルマネートレード)、(5)無制限なゲームの誘惑による生産性の低下や健康被害、(6)未成年が支払い能力を超えた課金をしてしまう、などが考えられます。

その問題点について少し詳しく書いてみます。

(1)無料という広告なのにゲームを進行するには課金が必要となることが多い

ソーシャルゲームは、基本サービスを無料で提供し付加サービスを有料提供するというフリーミアムのビジネスモデルのため、「無料でプレイできる」ことを大々的に広告しています。
無料でゲームを始めて、楽しければ課金をしてゲームの進行を有利にするという選択があるわけです。

しかし、ゲーム運営会社側ではより多くの集客をして、その中から課金を選択するユーザーを育てたいという思惑があります。
それは当然の経済行動ですが、無料を強調して集客をしたのに、その後は課金への誘導が強くなりすぎると、そこには不意打ち性の問題が生じます。
そこには、「千円ポッキリ」と言って客引きをして、店に入ったら酔い潰されて10万円も請求されるボッタクリバーに似た欺瞞性を感じるわけです。

健全な経営と適正な表示を心がけるなら、やはり集客の広告表現と実際の課金環境に差がありすぎるのは問題といえるのでしょう。

(2)ガチャで射幸心を煽られて多額の課金をしてしまう

現時点の消費者庁の見解では、レアカード目当てで射幸心を煽り、複数の絵あわせという手段で課金をするコンプガチャのみが問題視されています。
確かにコンプガチャによる課金額の増加は顕著ですが、レアカード欲しさに単発のガチャを何回も行い1ヶ月間で百万円単位の課金をしてしまったという話も、ゲームプレイヤーであればよく聞くものです。

コンプガチャのみの規制では、こうした環境は改善するものではありません。
ゲーム運営会社も射幸心を煽って異常な課金額を積み上げていくという収益モデルから脱却して、遊興として適正な範囲の課金に収まるようにゲームの設計を考える必要性を感じます。

(3)ガチャの出現率が明らかでない

ガチャによってカードを引く行為では、ユーザーが得られるのはゲーム内でしか価値を持たない電子的な情報のみであり、有体物が取引されるわけではありません。
よって、ゲームというシステムを作り上げた後のゲーム運営会社側は、ガチャによってカードを配信する原価はゼロに近いものです。

このような限界費用が低いシステムで、レアカードの出現率を低く抑えれば、結果的にユーザーの射幸心を煽ることになり、何回もガチャを引く行為を繰り返して課金額がかさんでいき、ゲーム運営会社はいわゆるボロ儲け状態になります。

もちろん、魅力的なゲームを作り込んでいくには開発費がかかり、ゲーム運営会社の企画力も試されます。
しかし、一度ヒットゲームを作り上げてしまえば、後はレアカードの出現率の調整だけで高収益が得られることになります。

そのレアカードの出現率を明らかにしていないゲーム運営会社が多いため、ユーザーはいくら課金すれば目的のレアカードを引き当てることができるのかわからないままお金を投じています。

これはパチンコ等の風営法で規制される遊戯にも似ています。パチンコは風営法の規制を受けていますが、ソーシャルゲームは現状では何の規制もありません。
このあたりも今後の課題となるでしょう。

(4)レアアイテムをめぐる換金性

レアカードやレアアイテムは、ゲーム内では貴重であるためゲームユーザーの集団の中では大きな価値をもちます。
これを現金に交換するリアルマネートレードについては、現状は法的規制がありません。
ゲーム運営会社の規約では、ほぼ全ての会社がリアルマネートレードを禁止していますが、法的な罰則がないため、オークションサイトなどを通じてリアルマネートレードが行われているという実態があります。

前述のようにレアカード出現率は非公開であり、いわば運次第です。その運で左右されるレアカードに換金性を持たせると、それはパチンコと同様な換金市場が形成されてしまいます。(パチンコには多くの規制があるのは周知のとおりです。)
ソーシャルゲームには、現状ではカード出現率にも換金行為にも有効な法規制はありません。
やはり、この状態はいつまでも放置するべきではないでしょう。

(5)無制限なゲームの誘惑による生産性の低下や健康被害

ソーシャルゲームを楽しむのは個人の自由です。
無料のままプレイするのか、課金して有利にプレイをするのかも、一応は選択の自由があります。

現在は消費者が無自覚に負担する課金額の大きさが問題になっていますが、ゲームにのめりこむと時間も浪費するようになります。(それも選択の自由なのですが・・・)

学生がゲームに時間を取られれば学業がおろそかになり、社会人が時間を取られれば生産性が低下します。
その上、睡眠時間を削ってプレイすることになるため、健康被害が生じることもあるでしょう。

ゲームに没頭するあまり、学校や会社を休んだり、貯金を使い切ってしまっても、実体的な価値があるものは何も得られません。
これは人生の中の少なくない時間とお金の浪費ともいえます。

ゲーム運営会社は、ユーザーの生活を乱さないような運営を目指し、ユーザーの啓発も並行して行う取り組みをするべきでしょう。

(6)未成年が支払い能力を超えた課金をしてしまう

未成年がスマートフォンのキャリア課金でソーシャルゲームのガチャを引いて、翌月に高額請求がされるというトラブルも起きています。

未成年が成年を擬制してゲームを行う例も多いようですが、今のところ未成年者の取消権行使については携帯キャリアもゲーム運営会社も柔軟に応じています。
また、利用実態は未成年よりは遥かに成年の方が多いと報告されています。

ただ、未成年はやはり精神的にも成長途上ですから、ゲームの利用制限や適正利用についての啓発が必要です。

 

以上のように、ソーシャルゲームの問題はコンプガチャだけではありません。
もっと根の深い多様な問題を含んでいるのです。

※この記事については2012年5月時点の消費者庁の見解をもとに書いております。
以後の法改正やガイドラインの追加によって、状況は大きく変わる可能性はあります。

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