サクラサイト商法の新たな手口

投稿者: tohyama | Category: 消費者問題 | コメントをどうぞ

出会い系サイトで出会ったメール交換の相手(いわゆるサクラ)に誘導されて、出会い系サイトのポイントを継続的に購入し、多額のお金を使ってしまうという問題が起きています。

 

こうしたサクラを利用した出会い系サイトのトラブルは以前からありましたが、ほんの数年前までは「騙される消費者も悪い」ということで片付けられてしまうことも多かったように思います。

 

確かに常識で判断すればありえないメールの内容を信じてしまった消費者にも落ち度はあり、しかもサクラ行為とサイトの関連性を証明して詐欺取消を主張するにはかなりハードルが高く、裁判で争うには難しい問題がありました。

そのため出会い系サイトのトラブルについて積極的に対応する弁護士は少数でした。

 

しかし、こうしたサクラ行為の疑義のある出会い系サイトによる消費者被害が多発し、その個別の被害額も数百万円に達することが珍しくないような事態になると、そのような出会い系サイトの悪質性が認識されるようになりました。

 

各地の消費生活センターや弁護士の取り組みにより、悪質な出会い系サイトについてはクレジット会社も加盟店管理責任から返金に応じることが増えてきました。

 

また、各地に出会い系サイト被害についての弁護団も結成されるようになり、出会い系サイト業者の口座凍結や裁判も頻繁に行われるようになりました。

 

2012年8月8日のさいたま地裁越谷支部の判決では、出会い系サイト業者のサクラ行為を詐欺的と認め、またサイト利用料も暴利であると認めました。

 

この判例が出てからは、出会い系サイトの詐欺的行為や高すぎる利用料が暴利行為(公序良俗違反)と認識されるようになり、返金請求や裁判が増えています。

出会い系サイトのサクラ行為は、以前のような無法状態ではなく、裁判まで視野に入れれば被害回復の可能性が見通せるようになってきました。

 

こうした流れになると出会い系サイトでは荒稼ぎするのが難しくなり、悪質業者は次のターゲットを探しているようです。

 

国民生活センターが2012年7月26日に公表した事例では、下記の3つの手口が指摘されています。

 

【事例1】

コミュニケーションアプリからの誘導

【事例2】

チーム制ポイント購入対戦ゲームへの招待

【事例3】

知らないうちに自動更新で月額利用料の請求

 

スマートフォンのコミュニケーションアプリ(LINEの無登録アプリなど)から対戦ゲームの勧誘を行い、射幸性を煽って多額の課金をさせるなど、ソーシャルゲームなどのブームを取り入れた手口が現れているようです。

 

悪質商法の手口というのは、法規制や取締りとのイタチごっこという側面があり、古い手口が収束に向かえば、新しい手口が現れるという歴史を繰り返しています。

 

今後はスマートフォンの機能を悪用した手口が氾濫することが予想されるので、こうしたコミュニケーション・ツールの適正利用法についても啓発が必要になるでしょう。

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