ウィルス駆除の自作自演でセキュリティソフトを売り込む手口

投稿者: tohyama | Category: 消費者問題 | コメントをどうぞ

パソコンのセキュリティ対策を装ったWEBサイトや訪問セールスの悪質な手口が確認されています。

 

悪質なWEBサイトの例では、ユーチューブなどを閲覧中に誘導されたURLをクリックしたら、アダルト・コンテンツ等の架空請求の画面が表示されるワンクリック詐欺のトラブルが有名です。

 

これと同じような手口で、誘導先のサイトにウィルスを仕組み、閲覧者がそのサイトにアクセスした直後にパソコンにエラー警告の画面を表示し、その修復のためにセキュリティソフトを買わせようとする詐欺的なサイトのトラブルが増えていることが国民生活センターより公表されています。

 

国民生活センター

エラー表示などでパソコンソフトを購入させる手口に注意-そのエラー表示は本物?

 

上記の国民生活センター記事で公表された相談事例を以下に引用します。

 

——-

【事例1】「阻害要因を除去するためのソフト」を購入したが、インストールできない

 パソコンを立ち上げる度に、「画面に阻害要因がありそれを除去するソフトを買うように」と画面表示され、面倒臭くなって購入した。クレジットカードで決済してインストールしようとしたができなかった。すぐに解約しようとしたが、日本語対応の電話番号記載がない。インターネット上の書き込みを見ると悪質サイトだとも記載されている。クレジットカード会社に苦情を伝えたら、クレジットカードを破棄処分するように言われ手続きした。今後は引き落としされないが、払った2,700円はどうにかならないか。日本での相談窓口の案内がないこの業者は悪質ではないか。

(以上、引用終わり)

——-

 

こうした相談事例は急増しているようで、サイトにウィルスを仕組んで、その修復のためにセキュリティソフトを売りつける自作自演の手口の可能性もあります。

 

しかも、セキュリティソフトを販売するサイトは、海外のドメインや国外事業者であることも多いようです。

 

これは国内法の適用を回避することを狙った悪質な手口ともいえます。

法の適用に関する通則法第11条では、消費者契約については国内法を適用するという特例を設けていますが、サイト事業者と連絡をとろうとしても日本語が通じず、結果として諦めざるをえないという状況もあります。

 

海外事業者との消費者トラブルについては、消費者庁越境消費者センター(CCJ)の相談窓口も設立されていますが、海外の消費者相談機関や消費者団体を通じた交渉になるので、問題を起こした事業者に対する直接的な強制力があるわけではありません。

 

まずは、このような詐欺的な手口にだまされないように、悪質サイトの事例と対策について知っておく必要があります。

 

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)では、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に注意!!という注意喚起を行っています。

 

上記のリンク先では、この手口で表示される警告画面のイメージ図も確認できます。

こうしたウィルスによる警告画面を消すための修復手順(システム復元)も解説されています。

 

また、悪質な手口は訪問セールスでも確認されています。

当職が契約解除についての相談を受けた事例の中では、小規模事業者を狙い撃ちにしたセキュリティ対策のシステム販売事業者がありました。

 

その手口としては、あまりコンピュターやネットワークに詳しくない事業者の事務所を訪問し、システムの無料診断をすると語ってパソコン端末を調査します。

すると次から次にウィルスに感染していたことが発覚し、利用者は驚いてしまうわけです。

 

動揺した利用者に対して、訪問事業者はファイアウォールやウィルス対策サーバーなどのシステムをリース契約で売り込みをかけます。

 

あらかじめウィルスを仕込んだURLにインターネット経由でアクセスすれば、セキュリティの緩いパソコンでは簡単に感染をしてしまうので、販売業者が自作自演をする可能性もあるわけです。

 

事業者間のリース契約は、契約が成立すると解除をするのは困難です。

販売事業者の債務不履行や不法行為の証明ができれば解約の検討もできますが、その事実証明は容易ではありません。

 

以上のように、悪質業者は海外サイトや事業者間契約などの法規制の及ばない領域や規制の隙間を狙った手口を次々と考案しています。

 

法令も改正を重ねることで、様々な悪質商法を封じ込めてきましたが、それでも新たな抜け道を見出す悪質業者が出現しています。

 

悪質商法への規制強化も重要ですが、こうした手口を役立たないものにさせる消費者教育も大事になります。

消費者教育は、消費者と事業者の両者に対して行う必要があり、啓発を通して不審な勧誘や詐欺的な契約を枯死に追い込んでいきたいものです。

 

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