アフィリエイターが行った不当表示は、景品表示法上の責任が広告主に及ぶか?

投稿者: tohyama | Category: 法律と契約 | コメントをどうぞ

個人(個人事業者も含む)が運営するWEBサイトに、ASP(アフィリエイト・サービス・ブロバイダ)が提供する広告を表示し、そのクリック実績等に応じて報酬を支払うアフィリエイト・プログラムは広く普及をしています。

 

このアフィリエイト報酬を増やすために、広告主(スポンサー)が意図しない誇大広告を行うアフィリエイターがいると、その誇大広告を信じた消費者には誤認による契約リスクが生じ、広告主には消費者に不信感を持たれてしまうという損失が生じます。

 

消費者庁が開催するインターネット消費者取引連絡会(第6回)の議事要旨では、アフィリエイト関連団体より、「報酬の高い広告主の体験談偽造」や「根拠も無く他のものと比較する手法」による誇大広告が目立つことが報告されています。

 

体験談の偽造ということでは、本年1月に騒がれた「食べログ」のヤラセ記事も同種の問題と言えるでしょう。

 

前記議事要旨では、アフィリエイターが行う誇大広告(不当表示)について、景品表示法上の責任が広告主にも及ぶかという質問が出ており、消費者庁表示対策課が回答をしています。

 

その回答によれば、「広告主が、アフィリエイターが行う広告表示の決定に関与したといえるか否かによる」とのことで、個別具体的に案件を判断するそうです。

 

同時に以下の判例も示されています。

「景品表示法上の表示に責任を負う事業者(表示主体)は、表示内容の決定に関与した事業者と解されており、そこには、自ら若しくは他の者と共同して積極的に表示の内容を決定した事業者のみならず、他の事業者にその決定を委ねた事業者(自己が表示内容を決定することができるにもかかわらず他の事業者に表示内容の決定を任せた事業者)も含まれる。」(東京高判平成20・5・23 平成19年 行ケ 第5号)

 

つまり、広告主が監視を怠り、アフィリエイターが誇大広告を繰り返す状態を放置していれば、広告主にも責任を問われかねないリスクはあるという解釈もできそうです。

 

誇大広告があると認識をしたら、即時に改めるという対策が求められそうです。

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